【たんあいがたり】ロコのアイドル&アートライフとアンチェンジドなマインド

はじめに

 この記事は、やきゅさん主催のブログリレー企画「たんあいがたり -natsu-」8月25日分の記事となります。
 前日は、Shio_Pさんの木下ひなたのお話でした。ひなたって実は結構努力家なんですよね。そこがまた、応援したくなるポイントの一つです。

 今回取り上げるのは、アイドルマスターミリオンライブ!の伴田路子もといコロちゃんもといロコです。ちょっとひねくれた話をするつもりであること、また、私がミリオンライブ!にハマったのはシアターデイズからであり、以後の文章はすべてシアターデイズでのテキストを根拠に記述されていること、以上2点をご留意の上、読み進めていただければ幸いです。

ロコとは

 さて、先に結論から申し上げます。



 ロコとは、どのような人物でしょうか?



 私は、「承認欲求を抱えた寂しがり屋の女の子」なんじゃないかなと思います。


ロコのアイドルライフのスタート

 ロコは、もともと765プロダクションのアイドルライブを見に来ていた観客の一人であり、アイドルに興味を示していたロコに対し、プロデューサーが名刺を渡してスカウトしたところから、ロコのアイドル人生が始まります。



 これがロコをスカウトしたときの彼女の言葉ですが、どちらかというと上から目線な感じもあります。ロコは、自分の制作するアート――“ロコアート”には大きな自信を持っており、自分と自分の作るアートが一番、それ以外は二番、三時のおやつは文明堂というような態度を取ることもありました。しかし、その自信の脆さが露呈する瞬間が訪れます。それがロコのメインコミュです。

 センター公演を前に、ステージパフォーマンスがうまく進まないことに落ち込み、自信をなくします。それに追い打ちをかけるように、制作していたロコアート=自分の自信の塊が壊れてしまう始末。悪い状況が重なり、美也と昴に八つ当たりをしてしまいます。だけど、それを見かねた千鶴に窘められ、ロコは結果的に無事センター公演を成し遂げます。公演後のロコは、こう話します。


 それまで一人での活動だけに自信を持っていたロコですが、この公演を通して、他のメンバーと協力して活動することの楽しさを感じ取ったのです。

コーポレートするロコ

 これ以降のロコは、他のメンバーに対して協力を仰ぐという行為に積極的になります。


 「月曜日のクリームソーダ」では、レトロという概念をうまく理解できずにいた桃子に、アイデアを引き出す手助けになるような衣装スケッチを渡し、桃子を始め他のユニットメンバーからどんどんとアイデアを引き出すことに成功します。


 「Fruity Love」では、茜がパーソナリティを務めるインターネット番組の制作にあたり、大量のプリンを食べながら茜とじっくり相談し、さらに、亜利沙にカメラマンを、奈緒構成作家を依頼するという、それぞれの得意分野が生きるような采配を披露します。

 さて、こうして他のメンバーとの協力関係も構築し、楽しく豊かなアイドル&アートライフを謳歌しているように見えたロコでしたが、「Fruity Love」のこの先のコミュに、ロコの本当の姿が現れます。

アンチェンジドなマインド、リアルなロコ

 茜から依頼された番組マスコットの製作に行き詰まってしまったロコ。落ち込んでいるロコを見かねた茜は、ロコに対して無理をしなくていいと気遣いを見せるのですが、これが逆効果になってしまいます。


 アーティストなのに、よりによってアート作品の依頼に応えられなかったという情けなさ。他のメンバーと協力するようになったからこそ、他のメンバーに対して顔向けできないことに対して引け目を感じるようになってしまったんですね。




 そして、(言葉の行き違いですが)無理してマスコットを作らなくても良い=ロコアートがなくても成立する。それはすなわちロコアート自体への否定になってしまいます。


 そしてここに、我々はロコの本当の姿を垣間見ます。


 ロコにとってはロコアートこそが自己を表現する手段であり、ロコアートを通して、自己を理解して欲しいという承認欲求を持っているのです


 ここまで、他のメンバーとの協力という点について述べてきましたが、この承認欲求は、常に根底にあるままだということが、言動の端々から見えてきます。




 SSR[ロコナイズミュージック♪]ロコの衣装コミュです。アートを見てもらえた嬉しさを語り、アートは見てもらえてこそ価値が向上すると語っています。


 「月曜日のクリームソーダ」公演終了後のブログでは、みんながロコのフィーリングをわかってくれることに対して喜びを感じていることが伺えます。


 SR+[UNI-ONAIR]ロコのSSR+化後のメールでは、プロデューサーに対して、新たなロコアートの素晴らしさをわかってくれることを期待しています。


 ロコの出自についてはあまりゲーム内で語られることがありません。
 だけど、もし、アイドルになるまでの間、自分のアトリエにこもり、一人キャンバスに向かい続けていたとしたら、他人と会話する機会に乏しかったかもしれません。また、他人との会話が少ない分、あまり人から褒められたり認められたりした経験も乏しいのかもしれません。
 それでも、自分のアートには絶対の自信を持っていたから、いつかどこかの誰かが自分のアートを、そして自分自身を理解してくれる――そう思って生活していたところに、プロデューサーが現れ、アイドルの世界に飛び込んだ。そして、アイドルの世界に飛び込んだことにより、自分のアートが見てもらえた。他の人と協力することでアートのクオリティに磨きがかかった。アートを通して、自分自身を見てもらい、理解してもらうことができた。
 しかし、「無理してマスコットを作らなくても良い」発言によりそこまで積み上げたものが一気に崩されてしまったんです。

 結果的には、ただの言葉の行き違いで、茜ときちんと話し合ったことで解決に向かったわけですが、これ、実際ロコの内面ではかなりの危機的状況だったのではないか、とちょっと怖くなります……。

 ちょっと暗い話になってしまいましたね。

 でも、ロコはその危機を乗り越えることができました。

 危機を乗り越える強さが得られたのは、それまでの楽しく豊かなアイドル&アートライフがあったからに違いないでしょう。そうして強くなったロコは、これまで以上にインスピレーションを爆発させ、アイドルでありながら、企画・制作側にも積極的に関与していきます。


 そうした“ロコナイズ”中のロコは、笑顔に溢れ、とても生き生きしています。これからも彼女が生き生きとアイドル&アートライフを謳歌できる環境を作ってあげること、それがロコのプロデュースなのだろう、と思います。


パーソナルなシンパシー

 最後に、個人的な共感について。
 私は昔からやたらと他人からどう思われるかを気にするタイプの人間でした。人に嫌われることをとても恐れていました。何か自分が褒められること、認められることが欲しいと思っている人間でした。私が定義づけたロコの特徴。それは私自身に共通するところがあります。だからこそ、なにかほっとけないという気持ちが芽生えたのかもしれません。
 また私は、これまで様々な同人誌を製作し、幸いなことにこれまで多くの皆様にお手にとっていただいております。ふと考えると、こうして私がやってきた同人活動の過程って、ロコのアート発信の過程と一緒なのかな、という気もしてきます。同人活動やってる最中の私も、“ロコナイズ”中のロコと同じように、とても生き生きしています。こういった点も、ロコに惹かれる要素になったのかなと思います。

 明日は、ロコ担当の先輩Pである鳩さんことろころこさんによる、同じくロコのたんあいがたりです。ドントミスイットです!