首都圏の「ゴジラに会えるスポット」をめぐる #ごじら首都圏 Part.6 ホテルグレイスリー新宿

 3月27日に発売となる、しらゆき創作工房の同人誌新刊『怪獣と歩む鉄道史』。この本の取材では、首都圏において怪獣映画のロケ地となった場所を回りましたが、これと同時に、首都圏周辺に存在する「ゴジラに会えるスポット」めぐりも行いました。せっかくなので、これらのスポットを一つずつ紹介して参りたいと思います。

※この記事は個人的に執筆しているもので、紹介している施設その他あらゆる団体とは一切関係がありません。この記事の内容について、施設その他団体に問い合わせることは絶対におやめ下さい。

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 歌舞伎町のど真ん中にあった新宿コマ劇場。多くの演歌歌手の公演の舞台になり、「演歌の殿堂」とも呼ばれて親しまれていましたが、老朽化によって2008年に閉館しました。そのコマ劇場の跡地に建てられたのが、飲食店や映画館、そして今回紹介する「ホテルグレイスリー新宿」が入居する複合ビル「新宿東宝ビル」です。

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 このビルの特徴は、なんと言っても通りを見下ろすように設けられたゴジラヘッド。映画作中のゴジラと同じ大きさで作られており、遠くからでもよく目立ちます。また毎正時になると、おなじみゴジラのテーマとともに、ゴジラの鳴き声が響き渡ります。

 このゴジラヘッドをもっと間近で見たい!……という方は、ホテルグレイスリー新宿に泊まりましょう。宿泊客であれば、ホテルフロントのある8階から、ゴジラヘッドのあるテラスに出ることができ、実物大のゴジラヘッドの巨大さを存分に体感することができます。

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 さらに、ゴジラヘッドのすぐ近くに位置する6室は、「ゴジラビュールーム」として別枠で売り出されており、部屋のカーテンを開けば、ゴジラヘッドがどーん!と見える仕様になっています。

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 そして、このホテルグレイスリー新宿極めつけの部屋が「ゴジラルーム」。

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 最上階の一番奥に1室だけ設けられたこの部屋は、入るやいなや、人間の背丈ほどあるゴジラの立像、そして壁を突き破るゴジラの巨大な手がお出迎え。この他にも、歴代のゴジラ映画のポスターや、映画の絵コンテなどが壁の装飾として組み込まれており、何から何までゴジラづくしという、ファンにとってはまさに夢の空間です。

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 残念ながら2022年3月現在、ホテルグレイスリー新宿は感染症対策により自治体の要請による全棟貸しが続いており、一般客が宿泊することができません。情勢が落ち着き、また宿泊できるようになったらぜひ利用したいものです。

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首都圏の「ゴジラに会えるスポット」をめぐる #ごじら首都圏 Part.5 国立歴史民俗博物館

 3月27日に発売となる、しらゆき創作工房の同人誌新刊『怪獣と歩む鉄道史』。この本の取材では、首都圏において怪獣映画のロケ地となった場所を回りましたが、これと同時に、首都圏周辺に存在する「ゴジラに会えるスポット」めぐりも行いました。せっかくなので、これらのスポットを一つずつ紹介して参りたいと思います。

※この記事は個人的に執筆しているもので、紹介している施設その他あらゆる団体とは一切関係がありません。この記事の内容について、施設その他団体に問い合わせることは絶対におやめ下さい。

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 千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館。古代から現代に至るまで、日本の歴史と文化について総合的に研究・展示する博物館です。日本史の教科書をまるごと具現化したようなこの博物館は、時代ごとに6つの常設展示室が設けられており、これらをサラッと見るだけでも1時間以上かかってしまうという、大ボリュームの施設です。

 そんな6つの常設展示室のうち、一番最後に回ることになる第6展示室。さらにその一番最後の展示物が、なんとゴジラなのです。

 戦後まもない1954年、反戦反核のメッセージを込められて生み出されたゴジラは、大衆文化の流れの中で、徐々に子どもたちのヒーローに変容し、ゴジラが持つ反戦の要素共々、“戦後”が忘却されていきました。そんな中で、1984年版『ゴジラ』では、初代ゴジラが持っていた、反戦反核の要素に由来する「怖さ」「凶暴さ」を改めて描き出されたのです。こういった文脈から、1984年版のゴジラを元に製作された立像が展示されています。

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 なお、国立歴史民俗博物館では、このゴジラの立像で用いられたものと同じ型からつくられた、ゴジラの爪や背びれのレプリカがお土産として販売されています。

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 背びれは大きさや色のバリエーションがあり、安いものでも1万円以上という値段ですが、ゴジラファンなら手元に置いておきたくなってしまうこと間違いないでしょう!(写真で分かる通り私も買ってしまいました)

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首都圏の「ゴジラに会えるスポット」をめぐる #ごじら首都圏 Part.4 世田谷文学館喫茶どんぐり

 3月27日に発売となる、しらゆき創作工房の同人誌新刊『怪獣と歩む鉄道史』。この本の取材では、首都圏において怪獣映画のロケ地となった場所を回りましたが、これと同時に、首都圏周辺に存在する「ゴジラに会えるスポット」めぐりも行いました。せっかくなので、これらのスポットを一つずつ紹介して参りたいと思います。

※この記事は個人的に執筆しているもので、紹介している施設その他あらゆる団体とは一切関係がありません。この記事の内容について、施設その他団体に問い合わせることは絶対におやめ下さい。

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 京王線芦花公園駅から徒歩5分ほどのところにある世田谷文学館。世田谷区に縁のある作家の原稿や初版本などの展示や、特定の文学作家やジャンルに絞った展覧会を行う企画展などが行われている施設です。

 この文学館の中に設けられた「喫茶どんぐり」の一角に、ゴジラの撮影用スーツが展示されています。これは1999年公開の『ゴジラ2000 ミレニアム』の撮影に実際に使用されたもの。映画撮影用カメラとともに、同じく世田谷区内に撮影スタジオを持つ東宝から寄贈されたようです。

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 中に人が入る構造のものですから、スーツだけではもちろん自立しないため、天井から張られたワイヤーで支えられています。スーツの型から作った立像、というものであれば様々なイベント展示で見る機会があるのですが、スーツそのものが展示されているというのは珍しいのではないでしょうか。

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首都圏の「ゴジラに会えるスポット」をめぐる #ごじら首都圏 Part.3 東宝スタジオ

 3月27日に発売となる、しらゆき創作工房の同人誌新刊『怪獣と歩む鉄道史』。この本の取材では、首都圏において怪獣映画のロケ地となった場所を回りましたが、これと同時に、首都圏周辺に存在する「ゴジラに会えるスポット」めぐりも行いました。せっかくなので、これらのスポットを一つずつ紹介して参りたいと思います。

※この記事は個人的に執筆しているもので、紹介している施設その他あらゆる団体とは一切関係がありません。この記事の内容について、施設その他団体に問い合わせることは絶対におやめ下さい。

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 世田谷区・砧に、ゴジラの制作・配給元である東宝の撮影所、東宝スタジオがあります。1932年創立の写真化学研究所を前身とするこのスタジオでは、ゴジラシリーズをはじめとした怪獣映画はもちろん、『青い山脈』『七人の侍』といった数々の名作日本映画が撮影されました。現在のスタジオは、2003年から8年間に渡って改築・新築が行われたもの。このうちメインゲートは2007年に完成し、これに合わせて、『七人の侍』巨大壁画と、ゴジラのブロンズ像がお披露目となりました。

新メインゲートが完成しました! [2007年8月] 東宝スタジオ

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 一方、ゴジラの壁画については、東日本大震災の影響で制作が中断したこともあり、少し遅れて2014年に完成。高さ11mという迫力のある壁画です。目の前の道路がちょうどカーブで下り坂という形状をしていることが効果的に作用し、カメラのズームを工夫して空が写り込まないように撮影すると、まるでゴジラが本当にそこにいるかのような面白い写真にすることができます。

「ゴジラ」巨大壁画完成! [2014年6月] 東宝スタジオ

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首都圏の「ゴジラに会えるスポット」をめぐる #ごじら首都圏 Part.2 日比谷ゴジラスクエア

 3月27日に発売となる、しらゆき創作工房の同人誌新刊『怪獣と歩む鉄道史』。この本の取材では、首都圏において怪獣映画のロケ地となった場所を回りましたが、これと同時に、首都圏周辺に存在する「ゴジラに会えるスポット」めぐりも行いました。せっかくなので、これらのスポットを一つずつ紹介して参りたいと思います。

※この記事は個人的に執筆しているもので、紹介している施設その他あらゆる団体とは一切関係がありません。この記事の内容について、施設その他団体に問い合わせることは絶対におやめ下さい。

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 JR有楽町駅南西の日比谷地区には、東京宝塚劇場やTOHOシネマズ日比谷など、ゴジラシリーズの制作・配給元である東宝が所有する劇場や映画館が数多く存在します。その中で、ショッピングモール「日比谷シャンテ」が入居する東宝日比谷ビルの目の前、「ゴジラスクエア」と名付けられた場所に、ゴジラ銅像が鎮座しています。

 銅像のモデルになっているのは『シン・ゴジラ』のゴジラで、銅像の傍らには、作中の登場人物・矢口蘭堂の台詞が書かれたレリーフが設置されています。

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 実はこの場所のゴジラ銅像は2代目で、先代の銅像は、TOHOシネマズ日比谷のロビー内に移設されています。

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 以下の写真は、先代のゴジラ銅像日比谷シャンテ前にあった頃の様子です。2014年撮影。

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首都圏の「ゴジラに会えるスポット」をめぐる #ごじら首都圏 Part.1 くりはま花の国ゴジラすべり台

 3月27日に発売となる、しらゆき創作工房の同人誌新刊『怪獣と歩む鉄道史』。この本の取材では、首都圏において怪獣映画のロケ地となった場所を回りましたが、これと同時に、首都圏周辺に存在する「ゴジラに会えるスポット」めぐりも行いました。せっかくなので、これらのスポットを一つずつ紹介して参りたいと思います。

※この記事は個人的に執筆しているもので、紹介している施設その他あらゆる団体とは一切関係がありません。この記事の内容について、施設その他団体に問い合わせることは絶対におやめ下さい。

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 横須賀市観音崎近くの砂浜・たたら浜。昔、ここにゴジラのすべり台が存在していました。地元における一つのシンボルとして親しまれていたすべり台でしたが、老朽化に伴って解体されてしまいました。

 時は流れ、横須賀にもう一度ゴジラのすべり台を!という取り組みのもと、署名活動が始まりました。地元の人々のみならず全国多くのゴジラファンが賛同した結果、集まった署名はなんと11万人分。自治体による協議の末、くりはま花の国にすべり台の設置が決定。ゴジラ映画のスタッフも携わり、1999年、高さ約9mという巨大なゴジラのすべり台が誕生しました。

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 2020年(令和2)年からは、くりはま花の国のクリスマスイルミネーションイベントに合わせ、ゴジラすべり台のライトアップが行われるようになりました。ゴジラの放射熱線によって街が火の海になる光景をイメージし、背中が青色、正面が赤色でライトアップされています。

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#劇場版スタァライト における丸ノ内線について(大したことは書いてません)

 世間の評判のとおりすごい映画だったので、長文感想を書きたいのだけども、とりあえずここは鉄道オタクの私らしく電車についての話を軽くまとめておく。でもほとんどの人が気づいてるだろうから大したことじゃない。

 

 一応、ネタバレ要素もあるので注意。

 

 

 

 

1.なぜ電車なのか

 これについてはパンフレットで古川監督が説明しているのでここでは割愛。検索すると「地下鉄乗るとドキドキするようになった」といった類のツイートが多く見られるので、古川監督が電車を題材として取り上げた狙いは成功しているようだ。

 

2.なぜE233系なのか

 これも同上。これにもちゃんと理由があるとは思わなかった。確かに、E233系列の総両数は3,287両で、JRグループの中での最多形式(Wikipediaより)である。

 

3.なぜ丸ノ内線なのか

 今回私がお話ししたいのはここ。

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Google Mapより)

 作中、空撮でトンネルに電車が入っていくシーンがあるが、それはこの写真の場所。地下鉄といいつつ地上に出ている四ツ谷駅から、丸ノ内線が再度地下のトンネルに潜るところである。なお、東京メトロの路線である丸ノ内線なのにもかかわらず、JRの車両であるE233系になっている理由は前段の通り。

 

 さて、この先の丸ノ内線にはどんな駅があるだろうか?

 赤坂見附。国会議事堂前。霞ケ関

 そして次の駅は、銀座である。

 ここであっ、と気づいた方もいらっしゃることだろう。ワイルドスクリーンバロックの開演を宣言したキリンが立っていた場所。

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 時計塔がシンボルの和光本店がそびえ立つ、銀座四丁目交差点である。

 では、聖翔99期生の面々が丸ノ内線(らしき路線)に乗っていた理由はというと、新国立第一歌劇団の見学に行くためである。
 新国立第一歌劇団の劇場の外観もわずかながら作中で確認することができたが、元ネタになっていることが明らかな実在の歌劇団の存在を考慮しても、東京宝塚劇場がモチーフであろう。

 そんな東京宝塚劇場はどこにあるかというと、有楽町である。有楽町と銀座は隣接地域であり、徒歩圏内。イコールであると考えても良い。

 そして、聖翔99期生たちが暮らす寮「星光館」は、近隣の風景描写からして杉並区荻窪近辺にありそうだ。

blacksun.hatenablog.com

 地下鉄丸ノ内線に乗れば、「星光館から新国立第一歌劇団劇場」、つまり「荻窪から有楽町≒銀座」に乗換なしで行くことができる。それならば、丸ノ内線を使うのも大いに納得できる。

 

 

 なんでわざわざ書き留めたかというと、思いっきりファンタジーなように見せかけて、実はこういうところに矛盾なく成立している要素があるっていうのが面白かったから。

 ただ、この記事を書いている間にいろいろと思った。

 ここでの丸ノ内線、乗換なしの列車っていうのは非常に楽ちん。何も考えなくても目的地に着く。でも、それってもしかしたら、何もしない、挑戦しない、新しい道に踏み出さない、死せる舞台少女のメタファーであるのかもしれない。その後、そんな丸ノ内線の電車を舞台にして「皆殺しのレヴュー」が始まって、電車の舞台でみんな血みどろになって、「もう死んでる」と言われるわけだし。

 制作陣がそこまで考えて作ったのかどうかはわからないけど、こういう風にちょっとしたシーンに対してもいろんな考察をしたくなってしまう。それこそがこの映画の魅力なんだとは思う。