第7回シンデレラガール総選挙を終えて

 第7回シンデレラガール総選挙お疲れ様でした。アイドルマスターシンデレラガールズというコンテンツに触れてからは数年経ちますが、自分で能動的かつ積極的に総選挙というものに関わったのは今回が初めてでした。総選挙に関わり、そして今回の結果を見て感じたことなどを書き残しておきたいと思います。

 シンデレラガール総選挙というのは、往々にして、自分が「担当」するアイドルに票を投じるものであると、漠然と考えていました。アイドルマスターは、自分がプロデューサーとなってアイドルをプロデュースするゲームですから、自分が思い入れを持ってプロデュースする対象のアイドルが「担当」になるわけです。総選挙期間になると、それぞれのプロデューサーたちが、自ら担当しているアイドルについてその魅力を多種多様な方法でプレゼンテーションして、投票を呼びかける、まさにこれが「アイドルをプロデュースすること」そのものなのだと思います。

 ところで、この「担当」っていう肩書きなんですが、どういう状態になったら「担当」って名乗るんでしょうか。

 アイドルマスターに関わった年数が比較的浅い私からすると、「担当」っていう肩書きは、そのアイドルについて相当深く詳しく知ってないといけなくて、軽々しく使ってはいけないものなのではないか、というイメージを抱いてしまうのが、正直なところです。その一方で、だからといって、そこまで詳しくない人が、本当はちょっと気になっている、ちょっと好きなアイドルがいるときに、「担当」と名乗れるほどではないから、と尻込みしてしまうのももったいないとも思います。

 有吉弘行アメトーーク!の出演を断るとき」 | 世界は数字で出来ている
 http://numbers2007.blog123.fc2.com/blog-entry-1941.html

 これは、広島出身でカープファンの有吉さんが、アメトーーークの「カープ芸人」として出演した際のエピソードについて、自身のラジオで語った話の記録です。この中で有吉さんは、「『あの選手はだれか名前しらないけど、あの投げ方の人好きだね』っていうおばあちゃんは、ファンじゃねぇのか?」と話しています。もちろん、このおばあちゃんだって、カープが好きで、カープを応援しようという気持ちがあることに変わりはなく、ファンの一員と言えるでしょう。

 それと似たような感じで(さすがにアイドル名がわからないままってことはないにせよ)、そこまで深く知っているわけではないけれども、あーなんかこのアイドルかわいいな、かっこいいな、好きだな、くらいの気持ちでいるプロデューサーがたくさんいることでしょう。

 私も一応P名刺というものを製作し、実際に使用していますが、○○担当という表記はしていません。また、アイドルマスターのプロデューサーが集まるmastodonインスタンス「im@stodon」のアカウントを持っていますが、そのプロフィール欄には、「担当を名乗るほどではないが緒方智絵里・工藤忍一ノ瀬志希・三船美優・荒木比奈・並木芽衣子」と書いています。

 もちろん、アイドルについて理解するための作業から逃避するために「担当」を名乗っていない、ということではありません。逆に、今まさにアイドルについて理解する作業を進めていっているところなのです。そういったプロデューサーも尊重されるべきだと思うし、事実、先輩のプロデューサーの皆様はあたたかく尊重してくれていますから、まだ深いところまで理解していない、担当と名乗るのは気が引ける、という状態でも、気軽に、このアイドルを応援していますっていう気持ちを表明していけば良いと思います(そうしているうちに、たぶん先輩プロデューサーが手取り足取り教えてくれて、結果、沼る)。

 さて、ここまでグダグダと屁理屈のようなお話をしてきましたが、総選挙の本題、誰に投票するか、というお話です。

 シンデレラガールズ総選挙は、その結果によっては、CVが実装されていないアイドルに新しくCVが付与されます。詳しくは後述しますが、このシステムが非常に魅力的であると感じていたため、投票するならCV未実装のアイドルに、と思い、先のim@stodonのプロフィール欄に書いたアイドルの中でCV未実装である、工藤忍、並木芽衣子、この2名を候補としました。

 その上で、前年(第6回)の総選挙で全体35位、属性別12位となり、結果表に名前の載った工藤忍に対し、並木芽衣子がこれまで一度も結果表に載ったことがありません。そこからいきなりCVというわけにはいかないでしょうが、まずは結果表に名前を載せてアピールができれば、そのために少しでも力になれればと思い、並木芽衣子に投票することにしました。

 中間発表の結果、工藤忍は属性別の15位にランクインしていました。並木芽衣子は圏外。引き続き並木芽衣子には投票を続けることにしましたが、工藤忍についても有識者の方々より「思ったより苦戦している」という情報が得られたため、こちらにも少し投票数を割くことにしました。

 そして、中間発表において、私の心を動かしたのが白菊ほたるでした。白菊ほたるはここまでの総選挙ですべて圏外でしたが、中間発表で属性別8位にランクインしました。属性別3位にランクインすれば、CVが実装されるわけですが、白菊ほたるの上5名は島村卯月緒方智絵里双葉杏一ノ瀬志希佐久間まゆと、これまでの総選挙でも上位へのランクイン常連のアイドルばかりで、非常に険しい道です。そんな中、ふとこのツイートが目に入りました。

 白菊ほたるは、これまで所属していたプロダクションが何度も倒産の憂き目に遭うという、不幸体質のアイドルです。そんな彼女に、今度こそアイドルとしての幸せをつかんでもらう……というのが、彼女のシンデレラストーリーなわけですが、この中間発表の結果が、上のツイートのとおり、彼女のシンデレラストーリーのスタートラインであるように感じました。険しい道だからこそ投票する価値があると思ったので、ささやかではありますが、白菊ほたるにも票を回すことにしました。

 このように、最初に自分で考えたり、中間発表の結果を見てもう一度考えたり、他のプロデューサーの声に影響されてさらに考えたりしながら、投票を進めていきました。特に白菊ほたるへの投票を決めたときなどは、もしかしたら、自分の投票がCV実装に少なからず関与する可能性があるのでは?ということを強く意識したこともあり、何かわくわくするような気持ちが湧いてきて、遅まきながら、これこそシンデレラガール総選挙の醍醐味なのかな?と思いました。

 最終結果。並木芽衣子は今回も残念ながら結果表に載ることはできませんでした。工藤忍は全体46位、属性別15位と前回よりやや順位を落としました。そして、白菊ほたるは、全体12位、属性別6位。惜しくも属性別3位には届かなかったものの、中間発表から最終結果までの間に、島村卯月緒方智絵里を追い越しました。本当にささやかではありますが、自分の投票がその順位向上の力になったと考えると、とても嬉しく感じられました。

 今回の総選挙の結果により、鷹富士茄子・南条光・喜多日菜子にCVが実装されることになりました。特に鷹富士茄子は全体4位、属性別2位という大変すばらしい戦績であり、ここまでがんばった陣営の皆様を心からお祝いしたいと思います。
 
 さて、総選挙の結果によってはCV未実装のアイドルにCVが実装される、というのは、総選挙上位のアイドルには新曲が与えられCDデビューするので、もちろん歌を歌うためにはCVが必要ですから、その時点でCVが未実装であれば新しくCVが実装される、という論理です。今回の総選挙において、実はそもそもこの事実が十分に認識されていなかったのでは?という問題提起がありました。事実、そのようなことをおっしゃっていたプロデューサーさんのツイートがtogetterにまとめられたりもしていました。もちろん、総選挙はCVを実装させることだけが目的ではありませんが、CVを実装させる確実な手段であることは確かなので、その点は一プロデューサーとして、アイドルのダイマの前に、そもそもの総選挙の仕組みについて、政府広報のようなことをする必要があるのかなと感じた次第です。

 その上で、私が総選挙の結果でCVが付与されるシステムに魅力を感じている、というのは、三船美優役の原田彩楓さんの存在が大きく関わっています。

 三船美優は、2年前に開催された第5回シンデレラガールズ総選挙で全体3位、属性別2位というこれまたすばらしい戦績によりCDデビューが決定。その時点でCVが未実装でしたので、新たにCVが付与されることになり、原田彩楓さんがCVとなりました。原田さんが三船美優として初めてステージに登場したのは、同年秋に開催されたシンデレラガールズ5周年イベント。総選挙CDの新曲「Take me☆Take you」を、同じく総選挙の結果新規CVとなった森久保乃々役の高橋花林さん、依田芳乃役の‎高田憂希さんとともに歌唱しました。イベントの模様はニコ生で配信されており、私もこれを見ていたのですが、このときの原田さんは表情も硬く、歌声もところどころ震えており、非常に緊張していたことが感じられる様子でした。

 そして翌年、5thライブツアー「Serendipity Parade!!!」の幕張公演に、原田さんが出演しました。そのセットリストの中には「Take me☆Take you」があり、シンデレラガールズの大先輩である、安部菜々役の三宅麻理恵さん、本田未央役の原紗友里さんとともに、原田さんがセンターに立って歌ったのです。幕張メッセイベントホールという大舞台での歌唱、緊張はしたでしょうけれども、前年のイベントのときと比較すると格段に笑顔が多くなり、非常に楽しんでいる様子が見受けられました。それは、原田彩楓さんという一人の声優さんが、三船美優というアイドルとともに成長していった姿にほかなりません。私は、それを見ることができてとても幸せな気持ちになりました。同時に、これまでの総選挙でCVがついたアイドルを応援していたプロデューサーもきっとこんな気持ちだっただろう、そして、これからの総選挙でCVがつくアイドルを応援しているプロデューサーもこんな気持ちを味わえるのだろう、私が抱いたような幸せな気持ちが、これからもたくさんのプロデューサーに連鎖していくのだなあ……と思い、これからも、アイドルマスターシンデレラガールズというコンテンツを追いかけていたいと思えたのです。
 
 最後に、システム的なことで、投票券の集め方についてのお話です。今回は、デレマスだけでなく、初めてデレステからも投票ができる総選挙になりました。

 デレステでは、有償ジュエルで買える総選挙応援セットなるものが販売され、15万円ほどお金を積めば500枚の投票券が手に入れられるとかいう、緑色の服を着た事務員が存分に悪魔ぶりを発揮するシステムなんかもあったわけですが、私にはそんな財力はありませんし、できるだけ課金をせずにどのくらいの投票券が集まるのだろうかという点も気になっていましたので、とりあえず、応援セットは1セットだけ購入し、あとは期間限定デイリーミッションやイベント報酬で可能な限り投票券を集めました。新機能である「営業」で効率よく投票券が集められたこともあり、正直なところ、総選挙期間中はほとんどLIVEをやりませんでした。

 デレマスの方は、主にイベントのポイント報酬で投票権が獲得できたわけですが、これまでイベントというものにほとんど関与したことがなく、手探り状態でした。そういった中で、イベントの進め方について端的に解説してくれた画像つきのツイートは非常に助かりました。また、通勤の電車内や仕事の休憩時間でもイベントをちょこちょこ進めることができ、投票券も獲得できたという点で、「ポチポチゲー」と表現されるソーシャルゲームの利点を初めて強く感じられました。デレマスにおいては、もう少しで次の投票券が手に入りそうだなー、でもアイテムがなくてこれ以上走れないなー、というところで最低限のアイテムを買い足しました。

 総選挙に関連した最終的な課金額と投票数は以下のとおりです。5,000円ちょっと課金をしたわけですが、この課金で増やすことができた投票券は実際のところ20枚くらいだと思います。要は、400枚くらいはまったく課金しなくても獲得できたということですので、ちりも積もれば何とやら、今後の総選挙でもこうした票集めが重要になりそうですね。

【課金内訳】

デレステ有償スタージュエル2,650個3,200円
デレマスモバコイン1,000枚×2+300枚×12,369円
合計5,569円

【投票内訳】

アイドル名デレマスデレステ合計
並木芽衣28950339
藤忍57057
白菊ほたる04040
合計34690436