学割証について

 このようなツイートを見かけました。

 以前より、学割証の発行枚数が学校によって異なることに疑問を抱いていました。ちなみに私が通っていた大学では、学割証は自動発行機に学生証を通すことで発行され、年間の発行枚数は20枚まででした。それゆえに、この方が通っていらっしゃる学校の2回までというのは極端に少ない数であると思いました。

 そこで、これについてちょっと調べてみました。

 

 学割証の発行枚数の制限について調べてみたところ、現在、学割証(あの黄緑色の印刷がされている紙)を学校に配布する業務は、文部科学省の委託を受けて日本学生支援機構が行っている模様です。奨学金業務をやってるあそこですね。
http://www.jasso.go.jp/gakusei_plan/gakuwari.html

 この中のQ&Aに、

 Q8:前任者より「1人10枚までの制限がある」と引き継ぎました。11枚目を希望する学生に発行できますか?」

とあり、その回答が

 A:「1人10枚まで」との制限はありません。(以前、旧文部省より「1人10枚を算出基準とし各校に配付する」との文書が出されておりましたが、現在は毎年、学校から提出いただく「学校学生生徒旅客運賃割引証(学割証)の使用に関する調書」に基づき配付しております。

 そしてこの「学校学生生徒旅客運賃割引証(学割証)の使用に関する調書」というのが、過年度の学割証発行実績から大まかな需要枚数を計算して、学校が学生支援機構に提出する書類です。
http://www.jasso.go.jp/gakusei_plan/gakuwari/gakuwari_sho.html

 学生支援機構もこの調書に記載された需要に応じて学割証を配布しているわけですから、学生支援機構が学割証の枚数を制限しているわけではありませんし、ましてやこのやり取りの中にJR各社は何の介在もしていません(学割証の印刷自体をしているのはJRらしいですが)。

 そのため、冒頭で紹介した「1生徒につき2枚しか出せない。そうJRと決めている」などという回答は、正確なものではない可能性があります。

 学校が上限枚数を設定する
  ↓
 使用枚数が減少
  ↓
 それに基づき作る調書においては
 もちろん過年度の学割証発行実績は少なくなる
  ↓
 そこから計算される需要枚数も少なくなる
  ↓
 学生支援機構から供給される学割証が減り、
 生徒への交付可能枚数も減る
  ↓
 使用枚数が減少
  ↓
 (以下無限ループ)

 結局、「学校が勝手に上限枚数を線引きしてるせいで負のスパイラルに陥って学割交付を増やせない」状態になっているのでは?というのが、それぞれの資料を読んで推測したところです。

 ただ、本来は学割証が使えるのは帰省とか受験とか実習とかそういう場合で、本当は私事旅行は対象外なので。そこを突っ込まれると、生徒が言い返す余地がないのも事実なので、その点はご留意ください。

追記)
 学校が余裕を持った線引きをして「うちの学校は1生徒20枚までや!だからそれに見合った数を配布してくれや!」って言っても、調書見て学生支援機構が「あんたの学校の生徒平均して5枚くらいしか使ってないからそんなに配布せんでもええやろ」って突っぱねることもあるかもしれないよね。その辺まではちょっと踏み込めない。