THE@TER CHALLENGE!! を終えて(感想編)――私たちがプロデューサーさん

 THE@TER CHALLENGE!!(以下TC)、お疲れ様でした。今回もさまざまな熱き戦いが繰り広げられました。ミリオンライブのキャスティング投票企画はこれが3回目となりますが、私が参画したのは今回が初めてだったので、感想をまとめておこうと思います。

1.はじめから戦略ゲームだと思っていた

 ミリシタ自体は開始日から手元にあったものの、THE@TER BOOST!!(以下TB)にまったく参画していなかった私は、今回のTCに参加するにあたり、TBがどのような感じで進められていったのかを、先人の皆様が書いたブログ記事などを参考に確認しました。
 その結果、私が感じたのは、これは単なる投票企画ではなく、多人数で参加する戦略ゲームであるということです。TBについて調べると、各陣営ごとに狙う役を決めて、同じ役を争うほかの陣営の様子を見ながら、適宜一斉投票等のタイミングを設けて票数を伸ばしていく、というのが基本スタイルとして確立しているようでした。
 とはいえ、そもそも、純粋にやって欲しい役に入れるのであれば、各陣営ごとに狙う役を絞る必要もありませんし、コンベンションセンターも要りません。キャスティング投票企画と銘打っておきながら、「勝てる役」を考えながら票を入れていかなければいけないあたり、すでにキャスティング投票企画の体をなしていないという意見がありましたが、実際のところ私もそうだと思います。でも私は今回が初めてだったこともあってか、これはただの投票企画ではなく戦略ゲームであるのだ、という形で納得することができましたし、そういう戦略ゲームをやることに面白さを感じたので、はじめからそういう気持ちで取り組むことにしました。

2.投票先の決定――お芝居だからできること

 さて、戦略ゲームであることがわかったところで、投票先を決めて自分の戦略を練っていかねばなりません。ミリオンライブでお気に入りのアイドルは百合子と桃子ですが、今回は765ASも含めて52もの選択肢がありますので、これにとらわれず、アイドルと役のマッチングにティンときたところに入れようと考えていました。
 見て回りますと、大体はアイドルがもともと持っているキャラクターから容易に想像がつきそうな役柄を投票先としているようでした。しかし、ここでひとつだけ異彩を放っていた陣営がありました。それが美也陣営でした。

 投票先は、「近未来アウトサイダー」の「ファイナルデイ」。この役柄は、「アウトレイジ軍の頭(ヘッド)。混沌とした世界を自ら治めようとしている」という説明になっているほか、ファイナルデイは少女アマリリスを捕らえている、そもそもアウトレイジという英単語は暴虐という意味である、等々の要素から、「悪の総帥」ポジションであることが読み取れます。そんなところに、いつも穏やかでゆるふわ系アイドル(というイメージを私は持っていました)の美也をあてがおうとしていたわけです。
 大方のイメージとはかけ離れた役ではありますが、これに私はティンときてしまったのです。美也は基本的にいつも敬語(ですます調)です。そして、いつも穏やかでゆるふわ系アイドル、と表現しましたが、裏を返すと、感情の起伏があまり表に出てこないのです。こういった面を生かして悪役をやるとどうなるか、と考えると、「丁寧な言葉遣いで物腰柔らかそうに見えるけど、感情が読み取れなくて何企んでるのかわからない不気味な悪役」になるだろうなと想像できたと同時に、そういう悪役ってそそられるなー、という思いになりました。そして、ふと、TB「ラスト・アクトレス」コミュの一場面を思い出しました。





「被害者役もやってみたい」と言う百合子が、その理由を説明する場面です。芝居で役を演じるからこそ、普段の自分では決してできない経験ができる、その言葉が、美也が、普段の姿からはかけ離れた悪役を演じるというシチュエーションにぴったり当てはまると感じられたのです。
 こうして、私はファイナルデイ宮尾美也に投票することを決めました。

 ここから、実際の投票における戦略についての話は、戦略編で。

6.キャスティング投票企画は物語の終わりではない

 結果的に、美也はファイナルデイ役をつかみ取ることができませんでした。
 1位になれなかったアイドルは、今後同じような役を演じる道が閉ざされてしまう、というような意見を目にしました。でも、私は決してそんなことはないと思います。これまでのキャスティング投票企画でも、当該役の2位になったアイドルが別役で出演している例は多く、まだその可能性が残っています。2位だったけど出演しなかった、3位以下だったからそもそも出演のチャンスすらない……そこで諦めてしまうのももったいないと思います。

 TCの投票は終わりました。

 しかし、私たちの担当アイドルがその役につく姿、それを想像する権利が奪われたわけではありません

 TCの3本のストーリーの中身は、まだ誰も知りません。出てきたストーリーを聞いたら、また新たに、自分の担当アイドルがこのストーリーの世界で演じてほしいのはこんな役だなあ、なんて想像が生まれることもあるでしょう。
 美也は、2位で出演するかどうかはわかりませんが、ファイナルデイの枠内にいるわけですから、出演したらアウトレイジ軍の一員にはなるでしょう。そのため、私の投票理由であった「悪役の美也が見たい」という気持ちはある程度叶えられるのではないかと期待しています。
出演しなくても、ファイナルデイ春香がどのような人物であるかを見た上で、たとえば美也がそのナンバー2だったとしたら、どんな役どころになるか想像することもできます。忠実な手下として戦い続けるかもしれません。最後に相対する勢力に寝返るかもしれません。謀反を起こして春香に刃を向けてファイナルデイの座を奪ってしまうかもしれません。
 このように、担当アイドルについて想像し、創作を行う余地は無限にありますし、それを発信するツールも多種多様に存在します。

 私たちがアイドルたちの物語を描くスケッチブックを破り捨ててはいけません。

 なぜなら、私たちがプロデューサーだからです。

 スケッチブックのページをたくさん使って、自分の担当するアイドルのいろんな姿を広めることがプロデューサーの役目です。私は、そういった面をひっくるめて「これからもアイマス」をやっていきたいと思います。